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映画「チタン」の感想:壊れて荒ぶる愛の寓話!

映画紹介

映画「チタン」―こんな映画見たことない

この映画、ヤバいよ。初めて観た時の感想は「なんて野蛮な映画なんだ」という言葉だけ。アドレナリン全開の展開で、観ているこっちは疲弊しきってしまいます。

でもその全てが、この「チタン」の最大の魅力なんだよ。一般的な映画の概念を打ち破り、バラバラに散らばるような衝撃を叩きつけてくる。その画期的な姿勢がカンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを勝ち取るまでに至ったんだから、さすがは怪作としか言いようがないよ。

主人公アレクシアの怪奇な魅力

この映画の主人公アレクシアは一言で表現するなら「異端者」そのものです。子供の頃の交通事故で頭部にチタン板を埋め込まれ、その結果、独自の世界を生きることに。人間の一般的な感情や意思などおかまいなしに暴走し、気が付けば人を殺している。そんな彼女がキャデラックに欲情して激しく交わり、その結果、妊娠します。

「・・・?」という気持ち、わかります。

ただ、アレクシアがダンサーであることを活かしたリアルな描写と、彼女の肉体と金属や車などの非生物との異質な結びつきをセンセーショナルに表現したクリエイティビティにはただただ驚かされましたし、それもまたこの映画の面白さの一部だと思いました。

とはいえ、観る者の限界を試すような、攻撃的でバカバカしくも恐ろしく、既成概念を木っ端みじんに破壊する内容についていけないという感情が沸き上がってきたことは否定しません。

そんな気持ちを抱きつつも、カンヌ国際映画祭で最高賞のパルムドールを受賞したんだから、何か意味があるはず!と思って、とにかくこの映画の世界観から振り落とされないように観続けましたので、その後のストーリーを紹介させてもらいます。

謎めいた人間関係と激動の展開

アレクシアの体が次第に変化し、体内から黒い液体が出てくるシーンは、ある種の恐怖と驚きを覚えさせる。同時に、彼女が同性愛のパートナーを殺したことで警察に追われ、男装して消防士ヴィンセントの元へ行方不明の息子を名乗って現れます。

このヴィンセントもまた一種の怪物さ。男らしさへの強迫観念から、身体を鍛え、老化を遅らせるために薬物を注射し、血を継承する息子を求め、彼になりすましたアレクシアを溺愛します。彼の独特の人間性もまたこの映画の魅力の一部です。

驚愕の展開から見えてくる、予想外の愛の物語

この映画の監督ジュリア・デュクルノーは、文字通り全ての規範を破壊するんだ。法律や道徳、セクシュアリティーやジェンダー、親子の愛情、人間と機械の区別まで一切に配慮することなく描いています。

理解も共感もできない人物たちを、どぎつく描写しているし、奇想天外な展開にあっけにとられるばかりです。でも、観ているうちに画面に温かい感情が漂い始めます。

登場人物の狂気や妄念が最終的には異形のラブストーリーに昇華されるエンディングはとても強烈で、その愛の寓話としてのインパクトがカンヌの審査員たちも圧倒されたんだと思います。

暴力と人間の変貌がたどり着く先は破壊ではなく、それが希望と言えるかどうかは分からないけど、少なくとも新たな道を切り開いた映画でした。

映画「チタン」を体験してみてください

映画「チタン」は1時間48分と決して短くないです。もしかしたらストーリー展開が理解できずに飽き飽きしてしまうかもしれません。だけど、ラストには「すごいもの観た!」という感情を抱くはずです。

映画「チタン」をみる

 


 
 

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