[広告] 当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

映画「世の中にたえて桜のなかりせば」の感想:宝田明さんの遺作映画

映画紹介

「顔を上げて下さい。桜は下を向いて咲くんです、私たちが上を向くためにね。」

穏やかな語り口でダンディーな俳優さんだった宝田明さん主演映画「世の中にたえて桜のなかりせば」で出てくるセリフです。

宝田明さんの最後の作品なんだけど、彼の繊細な描写と物語性は本当に素晴らしかったです。

メインのキャラクターは、不登校になってしまった女子高生の咲と、彼女のバイト先で働く敬三。この二人が、命にカウントダウンが始まった余命わずかな人や危険な仕事についている人の終活相談に対応しているのですが、ある日、敬三から病に冒された妻と過去一緒にみた桜にまつわる思い出を聞いて、探しに出かけるところからストーリーが進んでいきます。

 

さて、この映画「世の中にたえて桜のなかりせば」は当初から、

  • 茨木のり子の桜の詩の引用
  • 一部がタイトルでもある在原業平が桜を詠んだ和歌
  • 主演は女子高生
  • 宝田明自身の出演

を盛り込んで映画作りが始まったというそうです。

また、生徒からのいじめによって教師を辞めてしまった咲の元担任とか、様々な境遇の相談者との対話を通じて、ストーリーに豊かな奥行きを加えられています。

戦争体験をもとにした宝田明の反戦メッセージもありありと感じながら、妻役を演じた吉行和子の安定した演技力も相まって、設定やストーリー展開の違和感もさほど気になりませんでした。

だから、冒頭で紹介した「顔を上げて下さい。桜は下を向いて咲くんです、私たちが上を向くためにね。」のセリフが流れるシーンも、スーッと心に入ってきて感動に浸ってしまいました。

映画「世の中にたえて桜のなかりせば」をみる

 


 
 

>>自分に合った動画配信サービスを探してみる